自主練習のお供『ゴム弓』のすゝめ

弓を持たない射法八節の練習からしばらくすると、次はゴム弓と呼ばれる道具を使っての練習へ移行します。
一ヶ月くらいの間ずっと素手での練習のみだった新入生にとって、ゴム弓を与えられるのはとても嬉しいグレードアップです。
弓を持つ前に使う道具とはいえ、ゴム弓は上達した後もずっと使い続ける大変優秀な練習アイテムなんですよ。
今回はゴム弓について紹介していきたいと思います。
ゴム弓の種類
ゴム弓には主に2種類あります。
1つ目はプラスチックの柄の端にゴムが通してあるタイプ。
ゴム弓、新ゴム弓という商品名で売られています。比較的安価ですがゴムの劣化が早めなので、ゴムの交換費用を考えると結局高く付くような気がします。
2つ目は木製の柄の両端にゴムが通してあるタイプ。
通称座右弓です。実際に持つ弓のように握る部分に革が張ってあり、より弓を引く感覚に近い練習ができます。プラスチックのゴム弓より1000円くらい高いですが、丈夫でゴムもわりと長持ちするのでオススメです。
弓道部では大体のところが座右弓ではなくプラスチックのゴム弓を使っている印象がありますね。プラスチックのゴム弓も悪いわけではありません。柄の下部分に重りが紐で吊るしてありますので、ゴム弓の柄と紐が真っ直ぐになるようにキープして引くことで、正しい弓の押し方に矯正できます。
ゴム弓の使い方
ゴム弓には自転車のタイヤチューブのような太めのゴムが輪っか状になって付いています。
そのゴムを弓の弦のかわりに馬手の親指にかけて引っ張って使います。
基本は弓を引く動作と変わらないので、弓を持つ前にゴム弓でガッツリ予行演習していくことになります。
素手での射法八節練習では身体に弓を引いたときの負荷がかかりませんので、新入部員はこのゴム弓の練習で初めて、自分の無駄な力の入りや形の崩れを実感することになります。
ゴム弓での練習を通して徐々に身体の使い方や姿勢の整え方を学び、いざ弓を引いたときに怪我をしないようにしましょう。
ゴム弓の思い出
弓道部でゴム弓での練習にも慣れてきたある日、私と友人たちの中であるよからぬ遊びが流行りだしました。
その名も「打ち上げ松ぼっくり」です。
ゴム弓はスリングショット(パチンコ)によく似ているので、やろうと思えばものを飛ばすことができます。外で練習することが多く、わりと自由な練習時間があったわれわれは、先輩の見ていないうちに手頃な大きさの松ぼっくりを弾代わりにして天高く打ち上げるというしょーもない遊びに興じていました。
いま思えば高校生にもなって何をやっているのかと言いたくなりますね。弓道部はなんとなく真面目そうに見られますが、案外そうでもない連中も集まっている部活なんですよ。
良い子はマネしないでね。
まとめ
ゴム弓を使い続けていると、だんだんとその使い心地が癖になってきます。
弓を引くよりも楽なのでついついゴム弓ばかり引いてしまうなんてことも多々ありました。
いまでもしまっていたゴム弓を見つけると「懐かし〜」とか言ってしばらく引いちゃうんですよね。
弓を買うまではいかないけど弓を引いた感覚を味わいたいなんていう方は、ゴム弓だけ買ってみても意外と楽しめると思いますよ。